中央区日本橋の心療内科・精神科,人形町メンタルクリニック

心療内科・精神科
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パニック障害(Panic Disorder)


パニック障害の説明図

うつ病・うつ状態パニック障害社会不安障害
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パニック障害 Q&A

パニック障害はどんな病気ですか?

人は、例えば災害や事故などの緊急事態に巻き込まれた際に、その脅威に立ち向かうために、過覚醒状態となり緊張し、酸素を十分に取り込むため過呼吸となり、身体のスミズミまでに血液を送るために心臓は激しく鼓動を打ちます。脅威に直面した時に、このように急激に交感神経が活発になるのは人間の生理的な反応です。この不安反応が、特に脅威にさらされていない時でも生じるのがパニック障害です。

パニック障害ではどのような症状がみられますか?

パニック障害になると、突然、激しい動悸、息苦しさ、吐き気、めまい、発汗などに襲われます。過覚醒によって不安・緊張が生じ、このような事態に対し、「死んでしまうのでは」という恐怖感が出現します(パニック発作)。その後、パニック発作が「また起こるのではないか」と常に不安となります(予期不安)。その結果、すぐに出られない場所、助けをもとめられない場所、発作を経験した場所(電車・飛行機などの乗り物、渋滞・高速道路の車、映画館、混みあった飲食店)に行くのが怖くなって避けたくなります(広場恐怖:回避行動)。

症状が社会生活におよぼす影響はどのようなものがありますか?

パニック障害になると、すぐに出られない場所、助けをもとめられない場所、発作を経験した場所(電車・飛行機などの乗り物、渋滞・高速道路の車、映画館、混みあった飲食店)に行くのが怖くなって避けたくなります。その場所は拡大していく傾向にあるため、活動範囲が徐々に狭くなり、仕事、学校や家庭などの社会生活に支障が生じます。

どのような人がなりやすいと考えられていますか?

パニック障害に特異的な性格傾向というものは見い出されていません。不安障害に共通して、神経質傾向(不安になりやすい傾向)が強い方がなりやすいとされています。また遺伝的要因もあると考えられています。

発病するきっかけとしてはどのようなものがありますか?

パニック発作は予期せずに突然生じたように感じることが一般的ですが、実際には発作に先立って別れや喪失などのストレスとなる出来事を経験している方が多いとされています。

原因としてはどのようなことが考えられていますか?

パニック障害には、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリン、セロトニン、GABA(γ-アミノ酪酸)が関係していると考えられています。脳内の部位としては、パニック発作には青斑核が、予期不安には大脳辺縁系が、回避行動には前頭前野が関与している可能性が指摘されています。

どの位の人が発病するのでしょうか?

1.5%~3.5%の人が、一生のどこかの時点でパニック障害になるのではないかと考えられています。20代で発症することが多く、女性は男性の2倍から3倍発症しやすいとされています。

パニック障害を疑ったらどうしたらよいのですか?

パニック障害のほとんどの患者様は、呼吸苦や動悸などのために一般内科を受診されることが多いと思います。身体的に異常が認められなければ、早期に心療内科や精神科を受診することをおすすめします。パニック発作を繰り返しているうちに、予期不安から避けたい場所が増えることにより徐々に生活範囲が狭まってしまいますし、うつ病の合併が40%~80%の患者様にみられるからです。パニック発作がどんなに激しくても、決して身体がおかしくなったり、気が狂ったりすることはありません。通常は、治療によって劇的に改善しますし、早期に治療するほどよりよい経過となりますので早期に受診してください。嗜好品についても注意が必要です。コーヒーなどに含まれるカフェイン、タバコに含まれるニコチンの過剰摂取は症状を悪化させるので控えるべきですし、不安や恐怖をやわらげるためアルコールを飲むことは、アルコール依存症の合併につながるため注意すべきです。また、パニック障害とよく似た症状が甲状腺機能障害でも現れることがあるので、血液検査などで調べておく必要もあります。

家族や周囲が気づいた場合はどうしたらよいのですか?

患者様ご本人は、突然の発作が、「また起こるのでは」と不安でいます。身体的な検査によって、原因が認められなければより混乱しているでしょう。ご家族や周囲の方は、まずはご本人の訴えをよく聞いてあげ、パニック障害が疑われたら、心療内科や精神科の受診をおすすめください。その際には、回避したい場所があるのは無理もないと理解を示してあげ、パニック発作がどんなに激しくても、決して身体がおかしくなったり、気が狂ったりすることはないこと、有効な治療法があることをよく説明してあげてください。

パニック障害にはどのような治療がありますか?

パニック障害治療の中心は、薬物療法と認知行動療法です。薬物療法としては、以前は三環系抗うつ薬が使用されてきましたが、最近はより副作用が少ないSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が中心となっており、長期間でも安心して服用できます。また、ベンゾジアゼピン系薬物を主とする抗不安薬も、即効性があるため使用されますが、依存性の問題もあるため、SSRIの効果がでるまでにとどめたほうが良いと思います。SSRIや三環系抗うつ薬の効果が現れるまでには、早くて2週間、通常は4週間かかります。また効果が現れて症状がなくなっても、その時点から、さらに6ヶ月から1年間は再発を予防するためにも服薬を継続することが必要です。認知行動療法は、環境刺激であるストレスとその反応である感情・認知(思考)・身体(自律神経)・行動の変化との相互作用を検討して、精神障害、ストレス反応において生じている悪循環を断つことにより、症状の改善や問題の解決を図ろうとする治療法です。人間の反応の中で、感情(恐怖、不安、緊張など)や身体(動悸、呼吸苦、吐き気、めまいなど)の反応は、症状の中心ではありますが、意識的にコントロールすることが困難です。認知行動療法は、意識的にコントロール可能な認知と行動に働きかけて修正することにより、患者様がおかれている悪循環を断つことによって、感情や身体の反応を含めた症状を相互作用的に改善しようとするものです。パニック障害の認知行動療法では、不安や恐怖を引き起こす刺激(閉鎖的な場所、身体感覚など)に段階的に直面(暴露)させていき慣れさせて回避を軽減させる‘段階的暴露療法’を中心に、パニック発作時に過呼吸による症状の悪化を防ぐために呼吸を制御する‘呼吸訓練’、不安症状を中和するために行なう‘リラクゼーション’、不安や恐怖のもとにある「パニック発作が破滅的な重大な結果を招く」という誤った不適応的な考えを見つけて、客観的に否定して適切な考えに置き換える‘認知再構成’が組み合わされて行なわれます。特に認知行動療法は不安や恐怖に直面することがもとめられるため、患者様には高いモチベーションが必要となります。