
理想は観念的なものであり、人間の頭の中で生まれるものです。
それぞれの人によって内容は異なりますが、その人自身が作ったものであることは変わりません。
自分自身が作ったものだけに、時に頭の中で理想を現実と混同してしまい、実際に存在するかのような誤ったイメージを形成してしまいます。
理想への「とらわれ(Toraware)」 である理想本位になると理想という色眼鏡で真実を見誤り「できること」と「できないこと」の区別が曖昧になり、「こうあるべき」と無理なことを自身や周囲に求めてしまうことがあります。
そのような行動は、真実によって構成される現実との軋轢を引き起こします。
当然今ある現実にはかないませんので上手くいかず、かえって理想から遠ざかってしまい「こんなはずではなかった」と後悔することになります。さらに「できないこと」を思い通りにしようとすると現実感を失い、宗教、迷信、占い、甘言などに溺れてしまう危険さえあります。
また「できること」であったとしても、理想にとらわれると、出来ていないところばかりに目がいってしまい自信を失くしたり、周囲を信じることができず頼れなくなったり厳しく当たったりしてしまいます。
その結果、失敗のイメージが強くなり、理想に到達できないと思うことを初めから回避したくもなります。
だからこそ、理想は行動の方針にとどめて、真実をそのまま受け入れ、現実に従って今できる行動を繰り返すこと(試行錯誤)が重要と考えます。
その実体験の積み重ねによって、「今まで円形や三角形だとばかり思っていたものが実は三角錐だった」と分かるように、一つの理想ではなく多面的な現実に即した正しいイメージが形成されます。
真実に基づいた実体験からこそ正しいイメージが生まれるのです。
正しいイメージを持つことができれば、自己実現につながる効果的な行動がとれるようになり、実現可能なベストの状態に近づくことができると考えます。
