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ストレス対処 トピックス 病気の説明

4月の心と体の不調にご用心

4月は「木の芽時による気分の変化」「三寒四温と呼ばれる寒暖差」「年度がわりのストレス(年度末の忙しさと年度初めの変化)」を背景に、心身の不調が現れやすい時期です。その状態が重い場合は正式な病名ではありませんが、4月病と呼ばれることもあります。

主な症状としては以下がみられます。

・心の症状:気分の高まり、焦り、不安、イライラ

・身体の症状(主に自律神経への影響):頭痛、めまい、倦怠感、睡眠の浅さ、日中の眠気、下痢や胃部不快などの胃腸症状

3月前後の春先は「木の芽時」とよばれ、昔から精神的に不安定になりやすい時期とされてきました。この時期になると自然に気分が高まってウキウキする人がいる一方で、不安や焦りが強くなったり、周りの華やかさについていけずに孤独感や疎外感を感じる人もいます。

また、冬から春に移り変わるこの時期の気候変化は「三寒四温」とよばれ、極端な寒暖差などの気候の変化が自律神経に大きな影響を与えます。

さらに、年度末の多忙による疲れを引きずる中で、4月の環境変化への適応を迫られることは大きな負担となります。

上記の3つの要因が重なって4月の心身の不調が現れるのです。

対策としては、4月の環境の変化に適応するために無理をしがちな時期ですが、予定を入れ過ぎないようにして、周りのサポートを得ることが大切です。

また、自律神経を整えるために、疲れている時は、休息を意識して、音楽、アロマ、入浴などのリラクゼーションを行ない、少し余裕がある時には軽い運動をするのも良いでしょう。

そして何よりも4月の不調を予防するためには、この時期は心身の不調が起こりやすい時期と注意して過ごすことが重要だと思います。

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お知らせ メディアへの協力 病気の説明

五月病大全

月刊誌PHP5月号「心が晴れる新習慣」
月刊誌PHP5月号「心が晴れる新習慣」2025年4月10日発売

2025年4月10日に月刊誌PHP5月号「心が晴れる新習慣」が発売されました。その中で私、勝久寿が「五月病大全」を担当いたしました。

五月病の予防と対応がとても分かりやすくまとめられています。

五月病で重要なのは予防と早期発見です。五月病は4月の環境変化をストレス要因とする適応障害であり、その予防は4月のこの時期から行なうことが特に大切です。

4月に環境が変わった方や職場のメンタルヘルスにかかわる方には、今のうちに読んでいただきたいと思います。

この月刊誌の発行元であるPHP研究所は、パナソニック創業者の松下幸之助氏により創設され、出版事業も行なっています。月刊PHPは、時代に流されずに、この時代に必要な真の幸福に気づかせてくれる雑誌だと思います。

そのような雑誌に参加できたことをとても光栄に感じています。

PHP研究所 月刊誌PHP5月号「心が晴れる新習慣」2025年4月10日発売

当院が協力した「五月病」を扱ったサイト

完璧主義者は「五月病」になりやすい? お酒の飲み過ぎはそのサインかも | 概要 | AERA DIGITAL(アエラデジタル)

「五月病」にならないための考え方 精神科医が教える習慣とコツ | 概要 | AERA DIGITAL(アエラデジタル)

不必要な早朝出勤、部下の仕事の執拗な確認… 実はそれ「五月病」かも!? | 概要 | AERA DIGITAL(アエラデジタル)

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ストレス対処 当院の治療 精神療法

拙著:「いつもの不安」を解消するためのお守りノート

「いつもの不安」を解消するためのお守りノート
「いつもの不安」を解消するためのお守りノート 勝 久寿 著(永岡書店)  

本書では、不安の裏側に隠れている“本来の願望”を明らかにして、その達成を目的とすることによって、不安にとらわれずに行動する方法を紹介しております。そのカギとなるのが、「気分本位から目的本位への変化」です。

そもそも不安に意識を向けて解消しようとすると、かえって強くなるものです。そのため、不安な気分に意識を向けるのではなく、「本当はこうなりたい」「こうしたい」という“本来の願望”を明らかにし、それに意識を集中して行動できるようになることが大切です。本来の願望の達成に向かって行動できるようになると、不安に執着しなくなり、結果的に不安が解消されていきます。これが「気分本位から目的本位への変化」です。

これは私の20年以上にわたる精神科治療の中で、かぎられた診療時間で最大限の効果が得られるように工夫を重ねて生まれたものです。森田療法、認知療法、行動療法等などの要素を柔軟に取り入れ、わかりやすく取り組みやすいものにしています。

この方法は実際に不安症の患者さんに対して、十分に効果を発揮してきました。そしてこの方法は、普段は問題なく生活していても、「いつもの不安」があるがためになかなか思うように行動できず、「なりたい自分」になれない人たちにも有用だと考え、本書を執筆しました。

精神療法は医師による一方的な治療を受けるだけでは、十分な効果をは得られません。自分自身が日常の生活の中で実践することが大切です。

本書では「真理はシンプル」との考えから、大事なことに絞ってやさしく解説しています。ぜひさらっと読んで、濃厚に実践してください。本書があなたの心のお守りとして、お役立てれば幸いです。(「いつもの不安」を解消するためのお守りノート、はじめにより)

本書は私が2017年3月に執筆した最もシンプルな森田療法の本です。どなたでもすぐに実践できるようにマンガやワークを取り入れました。一般の方に向けてなるべく平易に書いたものですが、有名な専門医からも高い評価をいただいています。現在、アマゾンなどで中古を中心に安価に購入できます(画像をクリック)。不安がちな人には即効性が期待できますので、是非お読みになっていただきたいと思います。

本書を取り上げてくれた主なウェブサイト

PRESIDENT 第56巻第10号 職場の最新心理学 なぜ不安を解決してもすぐ不安になるのか

高校生新聞ONLINE 高校生ライフ 【健康豆知識】将来が不安で眠れない→不安の捉え方を変えてみよう

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イベント ストレス対処 当院の治療

精神保健講習会のお礼

令和7年4月2日(水)、日本橋保健センターでの講習会を無事に終えることができました。当日はあいにくの雨で寒い日でしたが、多くの方にご参加いただけたので安心しました。

ご参加の皆様、日本橋保健センターの方々に感謝しております。ありがとうございました。また、参加後のアンケートで高いご評価をいただけたこともとてもうれしかったです。

講習会では、筋弛緩法、腹式呼吸、アサーティブコミュニケーション、マインドフルネスなどのストレス対処法を実際に行いました。

これらは適応障害やうつ病などのストレス性の疾患を予防するうえでとても有効な方法ですが、一方でいくら説明を受けてもわかりにくいという面があります。

そのため、講習会ではストレス対処法を体得できるよう、実際に体験していただきました。真剣に取り組んでくださったので、皆様のジリエンスはが高まったと思います。

今回の講習会が役に立って、皆様がストレスに上手に対処できるようになり、本来の目的(写真のスライド参照)をかなえることができれば、これほどうれしいいことはありません。

今後、講習会の内容を、このブログで紹介していこうと思います。ご興味がある方は是非ご覧ください。

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ストレス対処 病気の説明

通常の落ちこみ、適応障害、うつ病の違いとは?

通常の落ちこみ、適応障害、うつ病の違い
通常の落ちこみ、適応障害、うつ病の違い(バネのモデル)

通常の落ちこみ、適応障害によるうつ症状、うつ病による抑うつ気分との違いは、ストレスをオモリ、憂うつの程度をバネの長さに例えて説明できます(バネのモデル)。

通常の落ち込みでは多少のストレス(オモリ)があっても気持ちは変化します(バネが伸び縮みする)。

適応障害ではオモリが重くて、バネは本人の限界を超えて伸びすぎてしまいます。しかしオモリがはずれれば、バネは再び縮むことができます(気持ちが回復する)。

うつ病では重いオモリに耐え続けた結果、バネが伸びきってしまいます。そうなると、もはやオモリを外してもすぐには元には戻りません(気持ちが落ち込んだまま)。

だから、適応障害とうつ病の違いはオモリをはずした時、つまり休日などに明確になります。休日に適応障害の方は比較的元気ですが、うつ病の方は横になっているということが多いです。

バネのモデルを紹介してくれたサイト

増える「六月病」はこう防ぐ! 乗り切る!! | 医療プレミア特集 | 鈴木敬子 | 毎日新聞「医療プレミア」

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1番簡単なリラックス法は何か?

それは「腹式呼吸」です。腹式呼吸をすると、脳波がリラックスしたα波の状態になり、精神を安定させたり自律神経を調節したりと様々な健康効果があります。

当院の「腹式呼吸」はとくにシンプルです。

やり方は簡単、「先に息を吐ききることがコツです。呼→吸の順番です。ゆっくり大きく吐きながらお腹をへこませて息を吐ききり、次に吸うのはお腹の力をゆっくり抜くことによって空気が自然に入ってくるのにまかせる」だけです。

口か鼻か、何秒するかは気にせず、とにかくお腹をへこませて息を吐ききれば大丈夫。

お腹の力をゆっくりと抜くときに、自然と息が吸えていれば上手にできています。

吐くのは能動的、吸うのは受動的です。

ストレスを感じた時に3回くらい繰り返してください。寝る前にするとスムーズな睡眠への効果が期待できますよ。この方法はシンプルなので急に不安や緊張がでてきたとき、人前での発表前や過呼吸になったときでも対応可能です。

『THE TIME,』にビデオ出演し、この「腹式呼吸」を紹介した時に、安住アナが上手に実践してくれたので嬉しかったです。

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ストレス対処 メディアへの協力 病気の説明 精神療法

拙著:「とらわれ」「適応障害」から自由になる本

「とらわれ」「適応障害」から自由になる本
「とらわれ」「適応障害」から自由になる本 勝 久寿 著(さくら舎)

不確実性が高まった社会において誰もが陥りやすい心理現象である「とらわれ」と、都市部のメンタルクリニックで最もよく診断される「適応障害」について、ちょっと辛口ですが精神科医として正直に書いた本です。

「聞き心地の良い情報よりも回復のために役に立つ情報を提供する」という目的を意識した内容となっております。

適応障害の原因、発症メカニズム(とらわれの関与)、症状、診断、予防、治療と幅広くありのままに書きました。

特に診断の問題点(曖昧さや健常との境界など)は他の本にないくらいに深堀りしています。

「適応障害は無理せずストレスからただ離れれば良い」という意見に対しては、「ストレスから離れて楽になったとしてもそれだけでは回復が得られない」と専門医の立場から異論を唱えたものとなっております。

適応障害の真実を知って予防や治療をしたい方に是非読んでいただきたいと思います。

本書を取り上げてくれた主なウェブサイト

mi-mollet(ミモレ) NEWS FLASHLifestyle(講談社)コロナ禍で加速!有名人も発症した「適応障害」から身を守るには?

ヨガジャーナル オンライン(インタースペース)「とらわれ」からはじまる適応障害|職場でよくみられる4つのパターン|精神科医が解説

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日本橋人形町界隈

人形町でのお花見はお早めに

人形町のサクラは勢いづいています。

お天気の心配はありますが、お花見は急いだほうが良さそうです。

こちらは緑道という地元の人ならだれもが知る人形町のサクラの名所です。

今年もきれいにサクラが咲き始め、弁慶も誇らしげです。

緑道の弁慶と桜
緑道の弁慶と桜
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ストレス対処 当院の治療 精神療法

人間関係のストレスへの対応法は?

「人生のあらゆる問題は、対人関係の問題である」は心理学者アドラーの言葉です。

人間関係が最も大きなストレスだというのです。では、その原因は何でしょうか?

それはコミュニケーションの問題です。言いたいことが言えずにストレスがたまってしまうのです。特に仕事の場面で断ったり、頼んだりができないと仕事を抱えて苦しくなります。

そうならないためにも適切なコミュニケーション法を身につけましょう!

アサーティブコミュニケーションは互いを尊重した自己表現で、対等な人間関係を作るうえでも役立ちます。話すときに相手を尊重する表現と自己主張表現を組み合わせてください。「あなたの話しも理解するので、わたしの話しも理解してください」というスタンスです。

具体例をスライドにしたのでご覧ください。

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日本橋人形町界隈

人形町が一番あでやかになる季節です

先日、日本橋のオカメザクラがとてもキレイでしたが、人形町も彩り始めました。

水天宮前のサクラ並木はとてもきれいですし、人形町通りに点在するサクラはどれも円熟味があり、魅力的です。

柳屋さんの鯛焼き、鳥忠さんの焼き鳥、あるいは新参者のサーティーワンのアイスを食べながらお花見をするのもいいですね。